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まちだシルクメロンとは

2009年、町田商工会議所が町田市内・市外の協力10企業と連携してスタートさせた「まちだシルクメロン」の水耕栽培。 これには、精密機械や医療機器のメーカーなど地域の協力企業が持つ技術を農業の分野に応用し、高い付加価値を持つ農作物をつくりあげることで、地域の中小企業が今後を生き残っていくための新分野のビジネスを開拓したいという切実な背景がありました。

メロン専門の果実栽培経験者が一人もいないという、決して好条件とは言えない状況のなか、関係各社は「多収穫・低コストで高品質なメロンをつくる」を合い言葉に、試行錯誤を繰り返しながらこれまでにないまったく新しいタイプの栽培システムの開発に力を注ぎます。

町田の技術を集結させることで生み出されたこのシステムを活用した栽培法は「町田式新農法」と名付けられ、通常であれば一株から1~4個ほどの収穫になりますが、町田式新農法では約60個を実らせることも可能になりました。 味わいも高級メロンの品質まで達し、本格的な商品化に向けて着々と準備が進められています。 そしてこの画期的な栽培システム自体も、今後市外や他農作物などで活用されていくことが期待されています。

なぜ「シルクメロン」?

この美しい薄緑色と綺麗な網目模様にふさわしい、上品かつ魅惑的な雰囲気がさりげなく醸し出されたネーミング「まちだシルクメロン」は、かつて町田の地が八王子から横浜港に絹を運ぶ“シルクロード”の中継地であったことにちなんで名付けられました。
この贅沢なメロンは、実際に食した際の舌触りも上質なシルク製品を思わせるなめらかさとみずみずしさに満ちており、クオリティの高さをまさに名前をもって体現しているかのよう。 一度試すとその芳醇な香りと極上の甘みの虜になってしまうという関係者からの声も多く、今後ますますその認知度が上がっていくことでしょう。

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地域活性と雇用創出

新たな地域農作物ブランドをつくるという背景には、町田市およびその周辺地域における農業の活性化を促し、新たな地場産業を創出してより豊かな地域社会の構築を目指すという狙いもあります。

周知のように現在の日本の農業は経済のグローバル化の中で危機にさらされており、農地の縮小、農業従事者の高齢化と後継者不足、食料輸入過多そして自給率の低下など、さまざまな問題を抱えています。 休耕地が増えているという現実もあるなかで、このような現状の打破を視野に入れた、農工商連携による地域密着型の新しいアグリビジネス(=高付加価値農業)を展開するということは、非常に建設的な試みであると言えるでしょう。 また、この流れの先には、多様な二次加工商品を派生的に誕生させ、さらに新たな雇用創出が見込めるという付加的な利点もあります。

町田式水耕栽培槽

1.まちだ式農法に用いる水耕栽培槽の一番の特長は、中央から流れ出た液肥が、槽内の内壁にぶつかった後で対流を伴いながら四隅から排液される構造にあります。
2.槽内で対流を促進する「カルマン渦」や根からの養分吸収を助ける「ゆらぎ」が発生します。
3.根が放射状に理想的な方向で成育し、液のよどみが生じないので、根の健康も保たれます。

従来の栽培槽との違い

従来の栽培槽

給液と排液が対角上に位置する為に、根が繁茂すると液が根を避けて流れるので、養分が根に届かず、よどみによる根腐れや根の病気も生じやすい。

町田式水耕栽培槽

中央から四隅への放射状の流れに渦やゆらぎがプラスされ、根の生育に理想的な環境を作り出す。
特許:第5357954号/第5464765号

町田式水耕栽培の概要図

町田式水耕栽培槽の可能性

従来の方法では実現することが非常に難しいと考えられていたメロンの水耕栽培が可能となったいま、この独自の栽培法「町田式新農法」を活用した他農作物の生産にも熱い注目が集まっています。 病気にかかるリスクが少なく、さらに通常よりも多い収穫高が見込めるというこの画期的手段を用いて現在試験栽培されている作物としては、トマトやキュウリ、葉物野菜などがあります。

初期導入コストの低減や、まだ栽培方法が確立されていない作物についてはデータ取得など、まだまだ課題は残されていますが、「まちだシルクメロン」栽培で得た成功実績が、関係各社の今後の道筋を明るく照らしてくれることは間違いありません。 

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